家に帰って、ごはんを食べて、食器を洗うと、一日の仕事が終わる。あとは何をしようと自由だ。
寂しい。それはもう、すがすがしいほどに。

私は、まだ待ってるんだろう。
来ないはずの電話やメールや、甘い言葉や誘いや、手に入るならぬくもりを待ってるんだろう。
だって、姿も声も肌触りも、全部好きなんだ。
そして、言いそびれた言葉を伝えたい。
「来てくれてありがとう」ではなかったのだと。私が、大切な人を裏切ってでも、私が会いたかったのだと。

けれど、伝えてどうなるだろう。
私たちには何も捨てる気はなくて、だからこそ私は帰ってきて、もう連絡をしてないのに。
実らせることができないなら、育ててもつらい。
私の気持ちなんて伝わってるだろう。でも、受け止めたって仕方がないだろう。「来てくれてありがとう」しかないだろう。
なら、いっそ何もなければ楽だったのに。

毎日毎日、あの日のふたを開ける。かさぶたをはがしたみたいに血が出る。痛いんだけど、傷は確かにあると確認できる。
気を紛らすことがないから考えるのか、考えるために気を紛らさないのか、それはもうわからなくて、ただずっとずっと傷が消えないようにと、それだけを祈ってる。

こないだ聞いたんだけど、縁があれば関係はまた始まり、縁がなければそれは思い出になるんだって。
美しい諦めの呪文だ。誰のせいでもなく、過去にできたら楽だろう。
でも、私はまだ終われない。納得できないんだ。偶然だったなんていやなんだ。
まだまだ子供だからね。


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